調教

栗東坂路短評(LeZele)

  • サンレイジャスパー 蟻洞の治療に時間を要し、昨年の小倉記念以来の競馬となる。気温の上昇と共に調子を上げるいわゆる夏女なので復帰のタイミングとしては申し分ないが、これまでコンスタントに使われ長期休養と縁遠かった分、鉄砲が利くか否かは未知数。中間の時計を見ると、休みが長かった割りにピッチを上げるのがワンテンポ、ツーテンポ遅く、1週前の段階でらしいラップを刻んで態勢が整っているようには見えるけれども、ひと叩きして夏本番狙いが妥当な線。(6点)
  • ベッラレイア 前走ヴィクトリアマイルは表面的な調教時計、ラップは秋華賞時と遜色がなかった。しかし、当日の馬体重は8キロ減り、直線の伸びもなし。久々で出来が甘かったというよりは、久々ゆえに多少なりとも無理をした感じか。前走の翌週は疲れを取ることに専念したそうで、その後もトーンは押さえ気味。状態が戻れば能力的に勝ち負けだとは思うものの、ハンデと馬場の重さを跳ね除ける活気が欲しかったというのが正直なところ。(7点)
  • ブリトマルティス 休養明け初戦は急仕上げの上、馬体重18キロ減と厳しいスタート。間隔を空けて仕切り直すかと思いきや、反対に詰めて使いながらも徐々に馬体は回復。3走目の糺の森特別はフケで良い競馬が出来なかったが、追い切りをCWから昨秋までのメインコースの坂路へ戻して2連勝と完全に軌道に乗った。前走の翌日曜の1F14.3秒というのは意図的に出したというよりは出ちゃった感じだけれども、このタイミングでこのラップが出るというのは体質の弱かった本馬にとっては強調材料。1週前、当週と速いところもきっちりこなし、充実の調整過程。(9点)
  • ホウショウループ 近頃ではざっと見積もってラップの7割程度が計測不能と何ともラップヲタ泣かせな馬。改善を求む。それはさておき、休み明けの前走は1番速くて当週の53.7秒と目立つ走破時計はなかったが、少し緩めの重ねがけで調教量は足りており、1番人気で順当に勝利を収めた。それでも叩けばきっちり上積みが見込める程度の出来。この中間の速いところ1本の仕上げは間隔が詰まった際のパターンではあるけれども、しっかり時計を出すことで一層の良化が期待出来る。例に漏れず前2F計不ながら、格上の牡馬サクラメガワンダーと併せて後2F12.3-12.7の52.0秒なら文句なし。(9点)
  • ウインシンシア 休み明けにポンとひとつ勝って、昇級初戦を0.2秒差の5着と好走し、3走目は苦手の道悪で負け、前走は良馬場で巻き返しての勝利。一連の流れを見る限り初戦から調子自体は良く、今回も引き続き良い意味で平行線。しかし残念ながら雨模様。(8点)
  • ザレマ 前走京王杯SCは輸送が少し想定外の道程になったそうで、馬体重10キロ減はその影響が少なからずあったと思われる。ただ、前々走当週の追い切りを控えたことで太目が残ったという教訓を活かしてしっかり時計を出していたので、その分+輸送減りなら字面から受ける印象程減ってはいない。この中間は速いところを3本、合間に60秒前後を2本と抜かりはなく、当週は50.7(LAP 13.0-12.3-12.3-13.1)の猛時計を計時。千四を使った後にこうガツンとくるラップを刻まれるとかかるのではないかと心配になるが、上手く折り合いが付いた時には好勝負必至。(9点)

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